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2011
11/21 18:23 |
Chas / No Better Love (1985)Category : musica 80年代
本名Charles Greenなるシンガーの超が付くほどマイナーな1985年の唯一のアルバム。ところが聴いてみてびっくりなほど、曲もボーカルも意外に良く出来ている、隠れた名作。
![]() 1. No Better Love 2. I'm Going To Give You All of Love 3. Stay 4. It's No Secret 5. I Just Want to Be Loved by You 6. Just Say You Will 7. Don't You Walk Away 8. For Your Love このCharles Greenというシンガーに関する情報はネット上でも皆無で、このアルバム1枚しか残していないということしかわからない。歌い方としてはやや線が弱いテナー系で、若干ゲイっぽいナヨナヨさもあるがなかなか悪くない。 そして、ジャケットのイラストからはマイナーレーベル感がプンプンと漂うこのアルバム、オークランドのLove Joy Recordsというマイナーレーベルにて制作されたもので、プロデュースしているPrivete Eyeはエレクトロファンク系のバンドということだが、詳細は不明。1985年あたりのレコードって、打ち込みのドラムが全盛であまりいいものが多くはないのだけど、このアルバムの音作りはそんな打ち込み感が強すぎず、曲自体もわりとメロウなものが多く好感が持てる。 まずはキャッチーな1.がいい。シンセベースとホーンが非常にポップ。5.なども同系統でソウルというよりはこの頃のちょっとブラック寄りのJ-POPなんかでもありそう。3.のバラードではなかなかの歌唱を聴かせる。6.などは8分の6拍子でこれまた日本人がつくりそうなメロディライン。管理人のお気に入りは最後の8.。AOR風味でフワフワと浮遊感のある作りがなかなかにアーバン。ソウルというよりAOR/POPといったスタンスで聴くのがよいかな。 このアルバムのオリジナルはなかなか見つけることはできないと思うが、見つけても知らなければこのジャケットを見てほぼスルーしてしまうだろうなあ…。そんなマイナー盤がCDでさらっと再発されているというのもけっこうすごいことですな。 |
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2011
11/14 20:16 |
Archie Bell And The Drells / Dance Your Troubles Away (1975)Category : musica 70年代
Tighten Upという特大ヒットのおかげで一発屋に思われがちなArchie Bell And The Drells。フィリーソウルの敏腕コンポーザー達による流麗なディスコナンバーで幸せになれる1975年の名作。
A-1. Let's Groove A-2. I Could Dance All Night A-3. I Won't Leave You Honey, Never B-1. Dance Your Troubles Away B-2. The Soul City Walk B-3. Let's Go Disco B-4. I Love You But You Don't Even Know It Archie Bell And The Drellsは1966年に南部ヒューストンで結成され、ここで録音した神懸かり的名曲Tighten Upがローカルヒット。それがアトランティックレーベルの目に留まり、1968年にメジャーから再発されたことでいきなりビルボードでNo.1(ポップ、ソウルとも)という超絶ビギナーズラックにより一躍人気グループに。急遽フルアルバムが制作されたものの、シングルはTighten Upの焼き直し感の強いものが多く、大ヒットには至らず。そこからしばらく雌伏の時を経て、1975年に発表されたのがこのアルバム。 それまでのモータウンにも通じるオールドスタイルのソウルから一転、時代に合わせてアップデートされた、フィリースタイルのディスコナンバーをちりばめた作品となった。Larry LevanもプレイしたというA-1がひたすらカッコいい。Ramsey LewisのSun Goddessと似たコード進行。こういう進行ってなぜかカッコいいんだな。 A-2やB-2はストリングス、ホーンの使い方がまさにこれぞフィリーという流麗な曲調。ただしどんな曲でもArchie Bellの基本は歌うというより喋って煽ってというスタイルなんですな。一方でB-3やB-4ではけっこうスケールの大きな歌い方をしていたりもするんですね。特に後者はシャウトスタイルの歌唱がけっこうグッとくる好曲。決して上手い人ではないですが独特の存在感があります。また、A-3は9分近くに及ぶコテコテのバラード。ここではバックコーラスも非常に力が入っており、ああ、そうだこの人たちはコーラスグループだったんだと再認識。でもこのグループってわりとそういうイメージなのではないかな。 このアルバムからシングルカットされたのはA-2、B-2、A-1の3枚で、A-1はソウルチャートでヒットしたものの、やはりポップチャートでのヒット曲はなし。やはりTighten Upの壁は厚かったか。以降ヒットはないものの彼らは他に3枚のアルバムを残しています。 |
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2011
10/30 17:02 |
Gloria Scott / What Am I Gonna Do (1974)Category : musica 70年代
90年代後半からのフリーソウルブームによって、多くの無名アーティストが発掘され、日本で特に知名度が高いという現象も起き始めた。このGloria Scottもそうした歌手のひとりのようである。
1. What Am I Gonna Go 2. Its Better To Have No Love 3. I Think Of You 4. Love Me Love Love Me Or Leave Me Leave Me Leave Me Leave Me 5. I Just Couldnt Take A Goodbye 6. Thats What You Say (Everytime Youre Near Me) 7. (A Case Of) Too Much Lovemakin 8. Help Me Get Off This Merry Go Round 9. What Shall I Do (Instrumental) とにかく情報が少ないため彼女の詳しい生い立ち等はわからない。どうやらSly Stoneに発掘され、その後Ike And Tina Turnerのバックシンガーとしてキャリアをスタートさせたようである。そしてBarry Whiteの事務所に自ら出向き、契約を勝ち取ったらしい。 Barry White制作による、1974年のこの作品は彼女にとって唯一のアルバムで、これまでヒットすることもなく時代の流れに埋もれてきた。しかしさすが全盛期のBarry Whiteがプロデュースしただけあって、内容は実に素晴らしいものとなっている。まずA-1はディスコブーム以前の暖かみをたたえたミディアム。What Am I Gonna Do〜のフレーズは思わず口ずさんでしまう。A-2は語りから始まる南部産ソウルの雰囲気を持ったバラード。A面は同様のバラードが続くがどれも一定以上の出来で、退屈させない。 白眉はアルバム中最もアップテンポのB-2。流麗なストリングスと、決して高い歌唱力ではないが雰囲気のある低めのヴォーカルが独特の質感を生んでいる。続くB-3も同様にストリングス使いが素晴らしく、ベースラインが非常に美しい曲。 そしてこのアルバムはジャケットが印象的。グリーンのセーターを着たGloria本人の物憂い表情はこのアルバムの内容をとても良く表している。アルバム全体の雰囲気としては以前紹介したAl JohnsonのPeacefulに良く似ていると思う。夕暮れ時の田舎道をドライブしながら聴きたいなあ。 残念ながら、Barry Whiteとの契約は良いものではなく、その後いくつかのレコーディングを行うものの、何年経っても次のアルバムが発売される事はなかった。また、アルバム未収録のJust As Long As We're Togetherという曲が中ヒットしたが、それも彼女のキャリアを継続する手助けとはならなかったようである。 本人は現在も元気な様子で、またいつか新作をレコーディングしたい、とこちらのインタビュー記事に書いてありました。 |
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2011
10/23 23:35 |
Mtume / In Search of the Rainbow Seekers (1980)Category : musica 80年代
デジタルサウンド導入以前の人力ファンク最後の輝き。なんだかよくわからないジャケットからも熱さがにじむ、1980年の傑作。
1. Give It on Up (If You Want To) 2. You Can't Wait for Love 3. She's a Rainbow Dancer 4. We're Gonna Make It This Time 5. Dance Around My Navel (Doesn't Have to Make Sense, Just Cents) 6. So You Wanna Be a Star 7. Spirit of the Dance 8. Anticipatin' 9. Everything Good to Me 10. Mrs. Sippi Mtumeは1980年代のファンク・ヴォーカルグループ名であると同時にプロデューサーとしても活躍したJames Mtume(エムトゥーメ)自身の名でもある。グループの作品としては一般的には当時のブラックチャートで8週も1位になったJuicy Fruitがとにかく有名だが、Mtume自身は元々ジャズ畑の人。Miles Davisのグループのパーカッショニストとして活動していた実力的には折り紙付きのプレイヤーである。 In Search of the Rainbow Seekersは1980年に発表された彼らの3枚目のアルバムである。Mtumeと言えばギタリストのReggie Lucasとのコンビで数々の名盤をプロデュースしているが、このアルバムももちろんこの2人の歯車ががっちりと噛み合った傑作となっている。10曲中7曲がこのコンビによるもので、打ち込み導入以前の肉感的でダイナミックなファンク曲がこれでもかと続く。A-1からうねるベースラインが耳に残る。とにかく演奏が上手い。A-2は遅めで跳ねるリズムがたまらないミディアムファンク。ギターとシンセがそのリズムに絡み、これぞファンクといったグルーヴ感を生み出している。そして忘れてはいけないのがJamesの妻でありヴォーカルであるTawatha。この音作りには粘りのあるTawathaの声が不可欠だと思えるほど、マッチしている。続くA-3も同様にグイグイ押すファンク。A-4はがらっと雰囲気を変えるバラード。このような曲ではTawathaの歌唱力が際立っている。B-1はMtume & Lucas制作のお手本のようなダンサー。こうした躍動感のある曲作りは数あまたあるプロデュースチームの中でも随一の腕前だろう。B-4はA-4同様バラードだが、手を抜く事なくキチッと形にする手腕はさすが。 1980年から1982年頃の間に打ち込み導入以前のブラックミュージックの名盤が数多く生まれているが、その中でもこれは必聴盤としてピックアップしておきたい。 Juicy Fruitのキャッチーさも捨てがたいが、Mtumeの6枚あるアルバムの中の最高傑作はこれだろう。 |
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2011
08/05 13:21 |
Terence Trent D'arby/Vibrator (1995)Category : musica 90年代
これほど孤高の天才という言葉の似合うアーティストはそういないだろうな。ポップミュージックの世界から一度は持ち上げられ、そしてそっぽを向かれ…1995年の凄みある作品。
1. Vibrator 2. Supermodel Sandwich 3. Holding On To You 4. Read My Lips (I Dig Your Scene) 5. Undeniably 6. We Don't Have That Much Time Together 7. C.Y.F.M.L.A.Y.? 8. If You Go Before Me 9. Surrender 10. TTD's Recurring Dream 11. Supermodel Sandwich W/Cheese 12. Resurrection 13. It's Been Said 一部の人々には強烈な印象を残し続けつつも、完全にメインストリームの音楽界からはオサラバしてしまった、Sananda MaitreyaことT.T.DことTerence Trent D'Arby。1987年のデビュー作はメディアで好意的に受け入れられたものの、2作目で大コケしてしまい、忘れ去られた頃に出した3作目がイギリスをメインに中ヒット…と山有り谷有りしていた頃にポッと出た4作目が本アルバム。 当時ワタクシは北海道の高校生だったのですが、地元FM局では2曲めが割りとヘビーローテーションされておりました。この曲は映画「プレタポルテ」のサントラ用に書かれたもの。映画は見てませんが。 さてT.T.D作品のなかでは個人的に一番完成度が高く、かつ一定のポップさを兼ね備えているのは3作目だと思いますが、この「Vibrator」はその路線を引き継ぎつつもT.T.Dの音楽的変態性が顔を出してきてしまった、そんな1枚となっています。 タイトル曲は割りと地味めな印象を受けますが、ハードロック調のリフ、ウネウネ跳ねるベースライン、ライヴ感のある演奏など、T.T.D流ファンクの集大成のような曲。このアルバムと同時にツアーを行い、その映像もYouTubeで観られるのですが、これがひたすらカッコイイ。この頃のT.T.Dは髪型も金髪短髪で(プッチ神父に似ている…)、体のコンディションも良かったのでしょう、ライヴが神がかっているなあ。 3曲めはこれもバラード路線のT.T.Dを代表すると言える名曲。ただし、この手の曲は若いリスナーには受けないだろう。そして4曲め、これが凄い。インド系のエッセンスをちりばめつつ、8分の12拍子?(4分の4拍子だと1.5小節ずつで進んで行く感じ)の軽い変拍子的進行のドラムとギターリフに乗って延々繰り返されるサビが非常にヒプノティック。変態です。7曲めも同様の雰囲気有り。そこからシームレスで続く5曲めは一転して非常に濃く、ジャジーで霊的ともいえるバラード。 ほとんどピアノのみで演奏される8曲めや13曲めもそこらのミュージシャンでは容易に真似できないほどのクオリティ。 最近ではお仲間2人とのバンド活動に終始し、曲作りでもパフォーマンスでもこの頃と同一人物とは思えない程のお粗末さが見ていて辛く、もういい、休め…!状態のT.T.D。音楽業界的にも1990年代初頭は彼のようなアーティストにまだ居場所があった時代だったのかもしれません。この頃の輝きをもう一度観たいのは僕だけではないでしょう。 数年前はCDショップの500円ワゴンセールの定番と成り果てていたこのアルバム(Amazonの中古も1円から出てるよ)、こんな値段なら絶対に買いです(泣)! |







